有田川町地域交流センター ALEC
有田川町地域交流センター ALEC
【建物概容】
■設 計 株式会社 岡本設計
■全体 面積 12,800㎡
■構造・面積 地域交流センター S造平屋建 2,314㎡
水の公園 サークルテラス・芝生公園等 4,800㎡
■オープン 平成21年4月26日
今回は『有田川町地域交流センターALEC(アレック)』をご紹介します。
有田ICから北に少し車を走らせた場所に建つALECは、周囲をみかん畑に囲まれた静かな環境にあります。門から敷地が東西に長く広がり、手前にはサークルテラスと芝生広場で構成される水の公園と駐車場、石と芝生のテラスと屋外ステージをL字に囲んで地域交流センターが配されています。駐車場から正面に見える建物は、玄関アプローチの長い庇が印象的で人々を迎え入れてくれます。そして玄関を入るとスポーツカーと木製の色鮮やかな汽車が目に飛び込んで来ます。スポーツカーは地元のコレクターの方の協力で展示されているとの事。また汽車では積木遊びが出来るのでそれを目当てに訪れる子供さんも多いと聞きました。
ALECでは地域交流センターという名の通り、町民が気軽に訪れて利用する為の様々な工夫がなされています。レンタサイクルの無料貸出や研修室での企業イベント、手作り市、機関紙“ALEC通信”での地元紹介。また施設屋外ステージでのコンサートや館内で落語会等の催しも有ります。
ALEC館内には一般書籍や雑誌等が揃えられていますが、中でもマンガ館には、少年少女コミック本を始め昔懐かしい“のらくろ”や“北斎漫画”等の貴重本を含めて3万冊もの蔵書が有ります。またウェブライブラリーにも取り組んでいて、本の予約はもちろん電子図書の貸出や、町内の小中学生が文集で発表した作品を本人が朗読し、それをインターネットで聞けるという独自のコンテンツを持っています。そんなALEC館内にはカフェが併設されていているので公共の図書施設として珍しくコーヒーを飲みながらの読書やインターネット、友達とのお喋りも。また食事も頂けるので、天気の良い日はオープンテラスでランチも出来ます。PCやi-padも借りる事が出来る“本のあるカフェ”誰もが親しみやすいところです。
またALECでは年に一度『有田川町絵本コンクール』を開催しており、今年で5年目になります。選考委員は著名な絵本作家や大手出版編集者という本格的な絵本コンクールで、プロ・アマを問わず毎年200作品程の応募が有るそうです。そして栄えある入賞者には賞金の他に有田川満喫みかん狩りツアーや、みかん100㎏といった地域性たっぷりの副賞が出され、作品は電子書籍化されるので誰でもウェブライブラリー(有田川Web-Library)で閲覧出来ます。またコンクールをきっかけにアマチュア入賞者が絵本作家デビューする事もあるそうです。
ALECは老若男女を問わず誰でも楽しめる施設です。子供はサークルテラスで水遊び。大人は館内で涼しく読書タイム。夏休みに親子で出かけてみてはいかがしょうか?(図書利用カードは町民以外でも作れます)
【会報誌きのくにH27年8月号掲載】
情報・出版委員会 西 祐代