和歌山城 岡口門
和歌山城 岡口門
今まで和歌山城は何回も行った事があるのですが、今回取材で岡口門の中に入る事ができました。あまり皆さん岡口門に興味がない方が多いと思いますが、実は和歌山城で重要文化財に指定されているのは岡口門と横にある白壁だけなのです。和歌山城創建時はこちらが大手門で、のちに浅野時代に現在の大手門である一の橋側に変更されました。門自体は岡口門の方が立派ですので、こちらが正面玄関と思われがちですが、違うんですね。確かに現在の町並みも一の橋方面が賑やかに栄えています。風水なども考慮したのかも知れません。岡口門自体は昭和35年に改修されてあり割と小屋裏、土壁あたりは綺麗にされてます。今後周辺の安全の確保を行い(内部へ行くまでの石段等)一般公開してもらえたらと切に思います。又、白壁ですが、土壁ではなく狭間から覗くと漆喰が剥がれておりそこから石造であることが分かる。非常にめずらしい事から白壁としてはめずらしい重要文化財に指定されているのです。創建当初の石垣は緑泥片岩(青石)を野面積みと言う技法で積まれており、岡口門側にある今は岡公園ですが、主に園内から青石を採掘して今でも採掘痕がちらほら見受けられます。時代の流れによって石垣も変化しており小石を間に詰め込んだ打ち込みハギ、江戸時代の美しく積み上げられた切込みハギとその時代の技法が見られるのも和歌山城の魅力である。打ち込みハギ等は和泉砂岩が使われており、主に友ヶ島から運ばれ昔は紀ノ川や和歌川とお堀が繋がっていて容易に運べたのもうなずける。現在ではお堀が川に繋がっている痕跡はないのですが、潮の満ち干きにお堀の水位も変化するのでどこかしら繋がっていると思われるが謎である。こちらもあまり知られていないのですが、和歌山城にある動物園ですが、大正4年から続く日本で4番目に古い動物園。お城の中にある動物園としては国内最古ですね。司馬遼太郎が『尻くらえ孫市』と言う歴史小説を書くにあたり和歌山城を訪れたのですが、その際、司馬遼太郎お気に入りポイントがあるのですが、説明しにくいので省きます。日本三大連立式天守に数えられたり、地味にたくさんの魅力を誇る和歌山城。その割にあまり天守閣については今回触れていませんが、又次回機会があれば取材に伺いたいと思います。
【会報紙きのくにH28年5月号掲載】
情報・出版委員 村上敏治