和歌山競輪場投票所

和歌山競輪場投票所

■設計:㈱金嶋一級建築士事務所 監理:㈱田淵建築設計事務所

■構造 木造 地上2階建

■延床面積 1,659㎡(1階:1,415㎡ 2階:244㎡)

■最高高さ8.39m

■基礎 羽根付き鋼管杭φ191~φ267  L=5m・6m 計98本

■工期 平成27年7月~平成28年11月  平成29年1月 新投票所として稼働開始

今回は『和歌山競輪場投票所』です。

DJI_0117和歌山競輪場は12月に開設され、68年にわたり和歌山市民に愛された娯楽施設である。毎年1月には開設記念競輪(GIII)として『和歌山グランプリ』が開催、開催2日目のシード優秀競走(第11レース)は、世界遺産に認定された「熊野古道」にちなんで『熊野古道賞』の名称で行われている。マスコットキャラクターはの「わかちゃん」で、2002年度に誕生し、これにちなんでからは『わかちゃん杯争奪戦』が開催される。このような和歌山競輪場に今年 和歌山競輪場投票所が新たに開設された。投票所は紀州材を使用した準耐火建築物(木材あらわし部分は燃え代設計)の大規模木造建物で、施設運営上、現場の工事着手は平成28年1月から行った。建物は延床面積1,659㎡、13mスパンの柱・梁は大断面集成材を採用、1階の一般席の上部の大梁等は木材あらわしとしている。集成材は紀州ヒノキ・杉を組み合わせた対象異等級集成材を採用している(使用する木材を全て紀州ヒノキとすると費用が拡大するため)。また、大梁をあらわしにしているため避難安全検証法により内装制限(天井不燃)を適用除外としている。そして、集成材の製作は和歌山県内に構造集成材JAS認定工場が無いため、宮崎県のJAS認定工場に紀州材を運搬して柱・梁等の集成材を製作・プレカットを行った。和歌山競輪場投票_MG_0001所内は空調完備の快適な約1,000㎡、最大800人収容可能なワンフロア-空間を創出し、大型100インチモニター4台設置により迫力あるレース映像を楽しむことができる。新たにできた投票所をはじめ、平成5年12月に竣工された美しいメインスタンド、冷暖房完備の特別観覧席、初心者だけでなく上級ファンにもうれしいガイダンスコーナー、子供連れでも安心して観戦できるレディース・ファミリールーム、女性専用トイレなど、多くのファンのニーズにお応えできる魅力ある施設でした。

 

【会報紙きのくにH29年 5月号掲載】

情報・出版委員 岩西智宏

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