真田ミュージアム
真田ミュージアム
【建物概要】
■築年月日 平成28年3月
■構造 鉄骨造平屋建て
■敷地面積 1048㎡
■建築面積 610㎡
■延床面積 592㎡
■設計 株式会社田渕建築設計事務所
■施工 紀伊建設株式会社
■開館時間 午前9時~午後5時(最終入場 午後4時30分)
■入館料 大人¥500(企画展期間外¥300)小人¥250(同¥150)
■休館日 月・火曜日(祝日の場合は営業・翌平日休館)
今回は平成28年に竣工した真田ミユージアムを紹介致します。
紀の川と、その支流の丹生川に挟まれた九度山町の中心部。その中ほどにこの真田ミユージアムは位置しています。
構造は鉄骨造ながら外装には木材を巧みに使用し、一見、それとは分からない武家屋敷風の作りです。
軒瓦には真田家家紋の結び雁金と六文銭が刻され、細部へのこだわりを感じさせられます。
『ミュージアム』と名が付いていますが、いわゆる博物館・美術館ではありません。
お馴染みの六文銭が飾られた門をくぐると、大きなガラス面が印象的なエントランスが見え、中に入ると『九度山真田三代』とも呼ばれる真田昌幸、幸村、大助の坐像・立像が迎えてくれます。
展示スペースは順路が反時計回りに配置されており、パネル展示の【上田時代】映像展示の【九度山時代】ジオラマ風の映像で見る【大坂の陣】仕掛け満載の【九度山異聞】そして【真田伝説】【十勇士伝説】と常設展示が続き、最後に【企画展示室】が有り、取材当日は『開運!なんでも鑑定団』でもお馴染みの砲術研究家・澤田平氏の所蔵品を展示した『火縄銃の魅力』が催されていました。
この企画展は年度事業であり来年の3月末まで内容を変えて3期に渡って続けられる予定で、また、その合間には夏季特別展示として2期の日本刀展も準備されており、積極的な運営が成されています。
真田ミユージアムは元々、九度山町の歴史的観光資源となる様に企画・構想が練られていた所に、NHK大河ドラマ第55作に『真田丸』の製作が決まり、その放送開始に間に合う様に急ピッチで設計・施工が進められました。
残念ながらオープンは放送開始に間に合いませんでしたが、3月に開館すると人々が殺到し、人口五千人に満たない町のこの施設がドラマの放送期間中、のべ約23万人もの来館者で賑わったそうです。
毎年5月5日を中心に伝統の真田まつりが開かれ、施設周辺も大いに賑わいますが、今年はコロナ禍により残念ながら中止となってしまいました。
周囲には国の史跡で世界遺産の一部である『高野山町石道』と、その起点である慈尊院もあります。
更には世界遺産『丹生官省符神社』、道の駅『柿の郷くどやま』や紙漉体験が出来る『紙遊苑』など、1日では回り切れないほどの名所・史跡に囲まれています。
気候の良い頃に是非、家族連れで訪れてみて下さい。
大河ドラマ放送が終わって3年以上が経過した今も町の観光資源の中核と位置付けられている真田ミユージアム。
隣接する松山常次郎記念館や、間近に有り真田庵の通称で親しまれている県の史跡・善名称院などと共に、地元の方々だけでなく全国の歴史ファンからも愛され続けていく事でしょう。
【会報誌きのくにR2年5月号掲載】
情報・出版委員 大川嗣久