粉河ふるさとセンター
粉河ふるさとセンター
■所 在 地 紀の川市粉河
■構造・規模 鉄筋コンクリート造 2階建
■敷地 面積 約11,900㎡
■延床 面積 約5,521㎡
今回は「粉河ふるさとセンター」を紹介します。
敷地は母なる川、清流紀ノ川のほとり、目の前には紀州富士「龍門山」が聳え立つ、自然豊かな旧粉河町の中心部にあり、国道24号線の南に位置しています。現在は5町が合併し「紀の川市」になっていますが、旧粉河町時代に活力ある文化的産業都市の創造をめざして、町民福祉の増進と文化の振興、心と心をつなぐ交流の場、出会いの場として名実ともにふるさとづくりの拠点として建設され、1994年オープン(2005年11月より紀の川市が発足)しました。現在はジャズやクラシックなど国内外の有名アーティストのコンサートや劇団の公演、商談会はじめセミナー、講演会、発表会等、多目的地域コミュニティの場として、利用されています。
施設内容として、大きく「粉河ふるさとセンター」エリア・「公民館」エリア・「図書館」エリア・「屋外」エリアに分かれています。「粉河ふるさとセンター」エリア1階に客席752席、舞台間口17.0m、奥行14.5m、高さ8.0mの舞台のある大ホール、昇降式のステージ付き平土間式の小ホールがあります。異なった催しでも人の出入りがスムーズできるように大ホール・小ホール別々にエントランスホールがあり、大ホールのエントランス上部はガラス屋根になっており、紀州三大祭「粉河祭」で疾走する六角大燈籠と竹を割った餅花飾りが美しい粉河型の山車(だし)を模した天井から光が降り注ぐように設計されています。小ホールの入口前には実物の山車が展示されていました。また、バックヤードには舞台と同じ土間レベルの搬入口、演者用の出入り口、大小2室の楽屋、男女別のシャワー室、壁面が鏡のリハーサル室が備わっています。2階には展示コーナーと照明・音響操作室があります。
「公民館」エリア1階には事務室、料理室(24人)、美術室(30人)、和室(24畳)、一般展示コーナーがあり、地下部分には庭が見える茶室があり、和室と階段でつながっています、2階部分には視聴覚室(84人)、会議室(48人)、コンピューター室、応接室等が配置されていました。それらの室は「竜門石」を活用し、大台ケ原に源を発し、紀州富士とも言われる竜門山の麓を洋々と流れる紀ノ川を枯山水でイメージした中庭を廻るように配置された廊下でつながっています。
「図書館」エリアは1階の小ホールエントランス横にあります。閲覧コーナー、ちびっ子コーナー、放送室がありましたが、現在は図書館が無くなり、紀の川市粉河支所として利用されています。「屋外」エリアは屋外ステージ、広場、モニュメント広場、チビッコ広場があり、屋外での催しにも対応できるように計画されています。
当初は粉河町民のために建設されましたが、現在では紀の川市民のために定期的に劇団の公演や、発表会等が行われ、多目的地域コミュニティの場、文化の振興、心と心をつなぐ交流の場、出会いの場として大いに活躍しています。
【会報誌きのくにR1年12月号掲載】
情報・出版委員会 堀内弘樹