紀北工業高校生徒ホール棟

紀北工業高校生徒ホール棟

_N3A0226所在地:橋本市神野々809

建築年:2018年9月

設計:株式会社 田渕建築設計事務所

 

橋本市神野々の紀の川北岸、流域の街並みを見下ろす小高い丘の上に位置する紀北工業高校は昭和38年の開校以来、織物生産の盛んな地域性とよく噛み合い、多くの優秀な技術者を世に送り出して来ました。

_N3A0374今回、紹介する生徒ホール棟は旧生徒ホール及び合宿棟の建て替え工事として計画され、公共施設等木造木質化支援事業に乗せて随所に木の暖かみを取り入れた作りとしながらも、技術系高校らしく筋違や水平ブレースを可視化して日常的に力学構造に触れられる様、工夫されています。

外観は大きくせり出した軒庇と広い2階テラスが印象的。

取材当日は終業式直後と言う事で生徒数も少なく、また小雨のせいも有り、静まり返っていましたが、普段は沢山の声が響き渡る生徒たちの憩いの場となっている事と容易に想像出来ます。

1階は主に学生食堂が占めており100席ほどあります。

昨今の物騒な事件の影響で学校が閉鎖的空間となって行く中、この食堂は付近住民の方々も利用可能で、生徒と地域の交流の場としての働きにも期待されています。

DJI_00142階は合宿所としての宿泊も可能なミーティングルームやシャワールーム、洗濯室などの施設が置かれています。

ミーティングルームの相互の仕切りの建具を開放すると大広間となり、講演会場としての利用や、合宿の醍醐味の1つである大人数での雑魚寝も可能。

紀北工業高校は近年、ウエイトリフティングや自転車部などの運動系、ソーラーカーに代表される技術系のクラブなど、課外活動が内容も濃く活発に行われており、その活動の拠点としての施設の充実は生徒のみならず、それを見守る家族にとっても心強い存在となって行く事でしょう。

 【会報誌きのくにH31年4月号掲載】

情報出版委員:伊都支部 大川 嗣久

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